記事の概要
・従来型の品質の考え方の限界。
・成長したれば、新しい考え方を受け入れよう。
・働き方改革は、働き方のダイバーシティー。副業の解禁。
・個人の能力向上は、個人の自律性に任される。
・これからは有能な人材をどれだけ集められるという求心力が
企業の価値を決め、提供する品質・サービスの価値を決める。
従来型の品質の考え方の歴史と限界点
1950年代にデミング博士が伝えた品質管理の考え方は、当時の日本の経営者に広く受け入れられ、1980年代にはJapan As No.1と言われるまでになりました。
この時行われた手法が、TQM、QCサークル活動という、 全員参加型の継続的な品質改善活動でした。 日本企業は、終身雇用、年功序列といった経営と、 全員参加型の品質改善活動も合わさって、 大きなチームパワーを発揮しました。
簡単に言えば、 「属した会社にどっぷり人生を傾ける」という人が量産された時代。 これで、業績も上がっていましたので、誰も文句を言う人はなかった。
でも、それから、時代は進み、 バブル崩壊、リーマンショック、各種天変地異、品質不正問題・・・ と、一時は頂点を極めた日本品質の凋落です。
得意としていた液晶分野でも海外勢に追いつかれ、追い越された。 その一つの理由として、人の流出があったと言われています。 業績が良かった時代は評価も高かった人材も、 凋落と同じ時期に評価が下がり、年齢も高くなったので、 それなら、必要としている海外企業に行こうか?という転職組です。
日本企業に追いつくため、優秀な人材集めに力を入れている反面、 日本企業は、その流出を止められなくなっていました。
優秀な人材の流出=企業価値の低下=品質の低下・・・という悪循環です。
成長したければ、新しい考え方を受け入れよう
これからの日本品質はどうするべきなのか? 新しい考え方について、例を挙げてみます。
- 町のパン屋のたとえ話
あなたは、町のパン屋。オープンして20年。 振り返るとバブルの頃は飛ぶように売れた。 でも、今は・・・ コンビニでは大量生産された大手企業のパンが並び、 しかもコストも安い。 コンベア式オーブンで連続生産している方式には どう考えても太刀打ちできない。 そこで店主は考えた。
この競争を乗り切るために、
①大手企業と同じコンベア式連続生産を導入して勝負する。 大手に出来ない「焼きたて」という価値をプラスして。
もしくは、
②独自の戦略で、創造的・革新的なパンを開発する。インバウンドの外国人向け、地元限定、他の分野とのコラボ、など
①は従来の延長の発想。 ②は全く新しい発想です。 共にリスクはあますね。
隣町のパン屋は、②の戦略で成功している。 外国人向けの「大阪名物たこ焼きパン」で行列が出来ているらしい。 さあ、どうすべきか?
この例え話、あなたならどうしますか?
日本企業の現状も、同じように感じます。 ①従来の延長の発想か、 ②全く新しい発想か、です。
まだまだ、①で踏ん張っている企業も実際は多いですが、 ②に踏み切って、世界で大きく活躍している企業も多いです。
日本企業の凋落の話で、 優秀な人材の流出=企業価値の低下=品質の低下の話をしましたが、 企業価値はやはり人で決まります。 その企業に属する人の考え方が、 ①従来の延長の発想か、 ②全く新しい発想か、という事になると思います。
特に方針を決める経営者の考え方がどうかです。 これから企業に就職を考えている方は、 その辺りを吟味した方がいいと思います。
ダイバーシティー、働き方改革
ダイバーシティーとは多様性の尊重です。大きな時代の流れとして、LGBTの活躍や女性の 活躍などの課題が出てきましたが、 根本的な考え方は、多様性の尊重です。
いろんな環境・立場、宗教・国籍・ジェンダーなどの 違いを尊重し合いながら、意見を出し合う事で、 新たな視点で製品開発ができる。などのメリットがあります。
また、働き方のダイバーシティーとして、 個人の副業を解禁する企業が増えてきました。 一歩間違うと、 「あなたの給料はここまでなので、あとは自分で稼いでね」 という引導を渡されたと感じる人があるかもしれません。 特に、「属した会社にどっぷり人生を傾けて来た人」は。
「12年働いて手取り14万とか日本終わってる」
Twitterの投稿 「12年働いて手取り14万とか日本終わってる」に、
ホリエモンが ”お前が終わってんだよ。” と返信した話があります。
これは、 ぬるいお風呂に浸かってきた人が、 どんどん温度が上がっても、 飛び出すことをせず、熱い熱いと文句だけ言ってる状態。 そのうち、熱湯になったら死んじゃいますよ。外に出て自分の責任で自分の道を歩むべき。という、 ホリエモンの言う通りではないでしょうか?それとも、そういわせるほど、日本社会が地に落ちているのでしょうか?
つまり、何でも、会社や社会のせいにしても、 何も始まらないよ。
という事なのです。 日本企業は、終身雇用、年功序列といった経営と、 全員参加型の品質改善活動も合わさって、 大きなチームパワーを発揮しました。 特に、日本品質が世界を席巻した時代の延長で、 現在に至っている弊害として、
- なんでも他のせい自分は悪くない。
- 私の役割はここまで。あとは知らない。
- きっちり警鐘を鳴らした。あとは知らない。 という考え方の蔓延です。
個人の能力向上は、個人の自律性に任され、能力に対する対価が支払われる。
従来は、自分の意見を述べるよりも、 先輩の指示に従うが美徳とされてきましたが、 これからの時代は、たとえ企業に属していても、 個が重視され、あなたの意見は?考え方は? と問われる時代になります。
もっと言えば、あなたは会社に何を提供してくれるのですか? という問いの答えに対して、フィーが支払われる。という時代になる。
独立起業した人は、常に自問自答している事であり、 ぬるま湯サラリーマンは経験のないこと。 筆者自身も、現時点では、企業に属しており、 ぬるま湯サラリーマンの一員なのですが、 さすがにここ数年の苦しい企業環境の中で、 脱サラについて、真剣に考えるようになった訳です。そのような意識変化こそ、今、なすべき事、多様性の時代を生き抜くために、準備すべき事ではないでしょうか。
多様な人材の知恵を集結する求心力こそ、これからの企業の価値を決める。提供する品質・サービスの価値を決める重要な要素。
この会社は自分の能力を認めてくれる。正当に評価してくれる。この会社に集まった人と一緒に仕事がしてみたい。そんな企業が今後の多様性の時代を生き抜いてゆくんだと思います。
逆に個人は自らの能力を正しく認識し、社会に評価されるべき能力を身に付けるべき。今からでも遅くはないと思います。ぬるま湯サラリーマン達が居酒屋で飲んでいる間に、あなたはコツコツ積み重ねてゆけばいいのです。1年後には大きな差となっているはずです。共に頑張りましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
次の記事も参考になるはずです。
タイキ
コメント