今回は、アコギにおけるTOP板材の種類と音の関係です。
トップ板材の大きな分類としては、2種類(スプルースとシダー)があります。
スプルースは、松。
シダーは、杉。ですね。
はい、その方がわかりやすい (笑)
それぞれの種類と、音に与える影響について、詳しく見てゆきましょう。
有名な2種のTOP材
シトカ・スプルース (Sitka Spruce)

シトカ・スプルース(Sitka Spruce):一番スタンダードなTOP材。産地の利便性や流通量が豊富な点に目をつけたMartin社が採用したことで世界的スタンダードになった材。硬さとしなやかさを合わせ持ち、フラットピックで強くアタックしても音が割れない(アタック感が出やすい)ハリのある元気な音が特徴。
ウエスタン・レッド・シダー (Western Red Cedar)

ウエスタン・レッド・シダー(Western Red Cedar):トップ材の中では、一番比重が軽く、やわらかで繊細なタッチにも反応がいい。フィンガースタイル奏法のプライヤーに好まれる傾向がある。クラシックギターにも多く採用されている。流通量は比較的安定しているため、比較的安価に良材が入手できる。
ここまでで、少し解説
さてここで、少し解説します。
上の2つを簡潔にまとめると、
スプルースは、アタック感。
シダーは、繊細なタッチ。
という音の特徴があります。
初心者にとって、自分のスタイルが何?ということがそもそもわからない。
そんな事もあると思います。
弾き語りは、ストロークが多いので、スプルース系。
指弾き(フィンガースタイル)でメロディーを奏でるのがメインの方は、シダー系。
そう説明を追加しておきます。
試奏の時に、両者の違いを確かめてみるのが一番いいと思います。
なお、
実際にギターを見た時に、
TOP材が単板なのか、合板なのか?を見分ける方法がありますので、
覚えておきましょう。
単板か合板かを見分ける方法
端的に言えば、木目を見ます。
サウンドホールの木目です。
タイキのYOE-28で説明しますね。

おわかりでしょうか?
サウンドホールのTOP板の断面を見ると、木目が断面方向に上から下まで走ってますよね。
これ、単板です。
合板だと断面が2層になって、木目が途中で切れています。
ちなみに、YOE-28は、
シトカ・スプルース(Sitka Spruce) の単板です。
スペックシートには、
TOP: Solid Sitka Spruce
SIDES & BACK: Solid Rosewood
NECK: Mahogany
FINGERBOARD: Ebony
SCALE: 650mm / 20f
BRIDGE: Ebony
HARDWARE: Chrome
POSITION MARK: Small Snow Flake
BODY BINDING: Herringbone
SOUNDHOLE BINDING: Herringbone
CASE: Wooden Hardcase
COLOR: Natural
とあり、
最上段の TOP: Solid Sitka Spruce の Solidは単板の意味です。
ギター選びの際は、参考にしてください。
さて、本題のTOP材に戻りますね。
その他のTOP材
では、他のTOP材も一気に紹介しますね。
アディロンダック・スプルース(Adirondack Spruce)

アディロンダック・スプルース(Adirondack Spruce):戦前のギターによく使用されていた材で、硬さと粘りがあり、鮮やかな木目が美しい。力強くクリアなサウンドが特徴。伝統的なブルーグラスやカントリー系のプレイヤーが好む音といわれている。希少材のため高価。計画的な伐採により量は少ないが流通はある。
ジャーマン・スプルース( German Spruce)

ジャーマン・スプルース( German Spruce):伝統的にヴァイオリンやクラシックギターに使われてきた材で、ジャーマンだけでなく、ヨーロッパ全域で伐採される。他には、スイス、カルバチアン、コーカシアンなどがある。白~黄色の美しい材で、非常にバランスの取れた中域の音が特徴。比較的、流通は安定している。
インゲルマン・スプルース(Engleman Spruce)

インゲルマン・スプルース(Engleman Spruce):非常にキメの細かい色白の木目が美しい材で、スプルースの中では、軽く柔らかめの材。低音から高音にわたり安定したサウンドで、フィンガースタイルのような繊細なタッチにもよく反応する。大木から採取された材では、ヴィンテージ感のある枯れたサウンドが得られるが、近年は良材が入手困難となっている。そのため、同じインゲルマンでもグレードの差が大きい可能性がある。
レッドウッド(Redwood)

レッドウッド(Redwood):材の比重や硬さが、スプルースとシダーの中間に位置する材。つまり、シダーの温かみのある音と、スプルースのアタック感のあるサウンドを合わせ持つ。また、Redwoodは世界一樹高が高い樹木で、長手方向の材のひずみが少ないとされている。
アラスカン・イエロー・シダー(Alaskan Yellow Cedar)

アラスカン・イエロー・シダー(Alaskan Yellow Cedar):主に海外でギター用に使用されてきた材で、国内では建材用が主だったが、近年、ギター用として見直されている。黄色味のあるキメ細かい木目で、奥行きのある豊かな粘りのあるサウンドが特徴。温度、湿度などの環境変化にも比較的強い材。
なぜ、TOP材が重要なのか?
ここまで、TOP材の種類と音の特徴について見てきたが、
そもそも、ギターの中でも、なぜTOP材が音に対して重要な役割を果たしているのか?
という点について、少し説明しておきます。
ギターの音は、弦に振動を与えることで始まり、
ナットからネックへ、サドルやピンからブリッジへ、
そして、ネックもブリッジも共にTOP板に伝わります。
TOP材の内側には、ブレーシングという補強材があり、この種類によっても振動が変わるのですが、
TOP材に振動が伝わりることで、TOP材がある種、「共鳴板」の役割を果たします。
共鳴は、TOP材の比重や硬さ(靭性)によって違いがあるので、
音の特徴として差が出やすいと言われています。
だから、TOP材の種類が、ギターの音を決める重要な要素ということなんですね。
最後に
いかがだったでしょうか?
今回は、アコギにおけるTOP材と関係について調べてみました。
おそらく、すべてを網羅できてはいないと思いますが、
少しは、ギター知識をゲットできたのではないでしょうか?
これからギターを購入される方は、参考にしてくださいね。
最後まで、読んで頂き、ありがとうございました。
これからも、記事を更新してゆきますので、
また来てくださいね。
ではでは。
タイキ
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